【アルテミス神殿】

İsmir Hoş geldiniz!
アルテミスは、ギリシャ神話に登場する月の女神ですが、古代アナトリア地方では豊穣の女神としてあがめられていました。当時は、小アジア全域で信仰されていたそうです。
アルテミス神殿は、豊かな財政とパトロンからの援護により、トルコ西部地中海沿岸にある貿易都市エフェス(エフェソスとも言う)に築かれた巨大な神殿です。紀元前7世紀頃から120年の歳月をかけて建築された、総大理石による世界最古の神殿でもあります。

紀元前356年放火により全焼して以来、修復される度に他民族の侵入によって壊される、という歴史を繰り返し、7回崩れ落ちて7回建て直されたと言われることから、古代七不思議の一つと数えられています。

以後、再建の際にはアテネのパルテノン神殿に対抗した大規模な改修が行われ、奥行60m、幅120m、高さ19mの129本の柱に囲まれた神殿は、パルテノンの4倍もの大きさがあったと言われています。

  ▼アルテミス神殿写真集▼




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 紀元前6世紀には全盛期を迎え、商業・宗教の中心地として栄えたエフェスの街。13qに及ぶ城壁に囲まれ、人口は20万人にも及んだそうです。
 そこにそびえたアルテミス神殿は、改修を重ねる毎に巨大化していきました。世界中にその名は知れ渡り、各地から大勢の参拝者がつめかけたことでしょう。

▲ワンポイント! 紀元前356年、放火したのは誰だ!?
 ヘラストラトスという男です。アルテミスがアレキサンダー大王の誕生に立ち会うために神殿を離れたその夜、後世に自分の名前を残そうとして放火!
 イオニア諸都市の公会議でも、今後一切、彼の名は口にしないとの申し合わせが成立したものの、こうして?その名は語り継がれています。あーあ、言っちゃった。


 破壊される度に市民の手で修復されてきたこの神殿、西暦260年のゴード人の侵入の際に壊されてから修復されることはありませんでした。
 そのまま、ただの瓦礫の山として放置されてしまいます。
 現在は、静かな湿地帯に水草の揺れる池の中、復元された柱が同じ空を見上げてすくっと一本立っているばかり‥‥。


神殿跡の入口です。
柱のてっぺんにはコウノトリの巣が!
小鳥の姿も見えます。
この辺りにはコウノトリがたくさんいますが、
ココは高倍率?時折、母鳥が牽制する様子も。

 ▲ワンポイント! 神殿崩壊後、大理石はどうなった?
 ゴード人の侵入後、エフェスでも次第にキリスト教化は進み、神殿に使われていた大理石は、エフェス再建のために流用されていくことになります。
 近隣の教会やモスク、イスタンブールのアヤソフィア等へも運び出され、紀元後にも廃材とみなされて一般市民によって持ち去られ、いつしか遺跡はバラバラに。

 神殿越しに見えている城塞、聖ヨハネ教会(エフェスを基点にキリスト教を伝道したヨハネの眠る教会)にも、
 イーサベイジャミィ(14世紀セルジュクトルコ時代に造られたモスク)にも、資材として、利用されています。これも宗教間の融和と言えるのでしょうか‥‥。


柱の土台の一部とコウノトリの巣。>え?
後方には、アヤスルクの丘。
遠景の城塞が聖ヨハネ教会。
手前の四角い建物がイーサベイジャミィ。
ここは、時代を遡るほど海にも近い湿地帯。
河川の氾濫等があり、砂も堆積している。
 この付近は物売りが多い!しかもトルコ語でしつこくまくし立てて来られるものだから、まともに歩くことすらできません!
 彼らが「センエン」で売ろうとするのは、日本語で書かれたガイドブックやら柱が一本写った絵葉書。
 ノーサンキューも通じず、yuniyuniゼスチャーも全く解さない様子。カメラを構えつつメモをとるのに必死というyuniyuniを無視してしゃべるわしゃべるわ!
 耐え兼ねたyuniyuniは、流暢な日本語による弾丸トークを開始。大きく深呼吸して、一気にココでソレを買わない理由を説明、撃退〜。



 1869年イギリスの学者J.T.ウッドにより、地下7メートルの遺構が発掘されたことで、より詳細な当時の様子がわかるようになりました。
 セルチュク(共和国成立後エフェスはセルチュクと改称)の中心部にはエフェス考古学博物館がありますが、ここには神殿から発掘された2体のアルテミス像があります。
 それぞれ紀元前2世紀と紀元前1世紀のものされますが、いずれも、腹部にたくさんの乳房?卵?を付けています。

 豊穣と多産、再生のシンボルであり、治癒の女神とも言われる大地母神アルテミス!ここは七転び八起きして、どうか再びアルテミス神殿の再建を。


 古代の世界七不思議!?ビザンチウムのフィロが残した古代世界の驚異的建造物のリスト他。

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